Interview
記事更新:2026年01月30日

株式会社寿牧場


秋田県秋田市にある株式会社寿牧場。2017年に新設した牛舎3棟で黒毛和牛600頭を肥育※しています。
肥育農家としては秋田県第2位の規模にも関わらず、従事するのはわずか4名。生産効率は全国トップクラスといえます。



■所在地:秋田県秋田市河辺松渕
■栽培品目:肉用牛600頭(年間出荷頭数:360頭)
■業種:畜産農業
■栽培面積:牛舎3棟/7,081㎡、堆肥舎/1,167㎡、飼料庫等/293㎡
■URL:https://farmers-party-network.jp/business/kotobuki/


秋田県秋田市にある株式会社寿牧場。2017年に新設した牛舎3棟で黒毛和牛600頭を肥育※しています。
肥育農家としては秋田県第2位の規模にも関わらず、従事するのはわずか4名。生産効率は全国トップクラスといえます。
また、秋田牛枝肉共励会での受賞等、高い技術力を誇る牧場です。
※肥育とは…子牛を購入し肉牛として出荷するまで育てる仕事のこと。

今回は、代表取締役の髙橋寿さん(左)と、新卒でこの世界に飛び込み、今や牧場に欠かせない存在となった従業員の益子佳緒里さん(右)に、牧場での仕事の魅力と未来についてお話を伺いました。

現在、代表取締役を務める髙橋さんは33歳の時に家業である寿牧場で働き始めました。
農業系の大学を卒業後、一度は別な職種で働いていましたが、とあることが転機で畜産業へ転身することに。

「きっかけは父が『和牛のオリンピック(全国和牛能力共進会)』で秋田県代表として全国2位になったことでした。子どもの頃から牛のいる生活だったので、漠然といつか家業を継ぐことになるかもしれないとは思っていましたが、父の快挙に刺激をもらい転身を決意しました。」

そこから約12年。髙橋さん自身も牛にまつわる数々の賞を受賞し実力をつけ、来年2026年には牧場を正式に引き継ぐ予定です。
寿牧場の企業理念は「牛にやさしく」。創業者である髙橋さんの父・長寿(ながとし)さんが定めたものです。
父から受け継いだ「牛は大切に扱った分、きちんと返してくれる」という言葉は、寿牧場の経営理念「牛にやさしく」の根幹にもなっています。

髙橋さんはこの経営理念を受け継ぎ、従業員には常に「牛をよく見なさい」と伝えています。
「牛を見る」と言ってもさまざまで、たとえば顔つきや行動、食事の様子、反芻など…牛のありとあらゆる様子を観察し、わずかな変化も見逃さないという日々の積み重ねが、質の高い肉牛を育てることに繋がっているのです。

人手不足が課題となっている畜産業界。寿牧場は、この問題を決して他人事とは考えていません。
牛にとっての快適さを追求するのと同じように、働く人々のための環境づくりにも力を入れています。

寿牧場では、従業員一人ひとりの負担を軽減するため、積極的に省力化を進めています。
畜産業には力仕事が多く、特に餌やりは重労働で1回あたり2時間以上かかることも珍しくありません。この負担を軽減するため、牛舎ごとに自動給餌機を設置しました。

当時は乳牛用しかなかった機械を肥育用にカスタマイズしてもらい、現在の牛舎に切り替わったタイミングで導入。今まで餌やりに掛かっていた時間を他の作業に充てられるようになったため、生産性が格段に向上しました。16時半の定時には役員を含む全員が仕事を終えていることがほとんど。時にはそのままみんなで食事に行くこともあります。

従業員が安心して長く働けるよう、寿牧場では手厚い福利厚生を用意しています。
社会保険が完備されているのはもちろんのこと、生活面でのサポートとして一人暮らしの従業員には基本給のほかに住宅手当を支給。また、力仕事で疲れた体をケアするための整体費用も会社が一部負担してくれます。働く人の負担を少しでも減らす、きめ細やかな配慮が伺えます。

勤務時間への配慮も徹底されています。現在飼料の管理を任されている益子さんの1日のスケジュールは「朝7時半出勤で全棟に給餌。1時間半の休憩を挟み、牛舎の掃除と夕方の給餌を終えて16時半には退勤」というもの。一般的な農家のイメージほど出勤時間が早くなく、昼休みも1時間半としっかり取れるのが大きな特徴です。

また、普段働く場所への配慮も欠かしません。個室の休憩室兼更衣室が完備され、従業員のプライベート空間もしっかり確保されています。女性従業員の入社を機にそれまで簡易式だったトイレを新設するなど、働く人のために何ができるかを常に考え環境を更新し続けています。

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